総てはオレンジの為に

アクセスカウンタ

zoom RSS 雨宮優子は幸せになれるのか?

<<   作成日時 : 2008/11/16 06:01   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

 “ef - a tale of melodies.”#6『flection』に寄せて。火村は悪くないよ。つーか、何もかもが全部エゴだよ。




☆余談1
 本編の重さに対して気を抜こうと思ったら、『ゆみこ&ゆうなのエフメロディ』。ものっそいグダつき具合が安心感を誘います。…あ、内容はありませんよ? 

☆余談2
 6話に入る前に話数もそれなりに溜まって編集して本編をDVDにダビングしてたんですよ。
 一気観すると一度観ただけではわからなかったor勝手に埋めていた部分がはっきりして面白いですよね。これまでの話に連続性が生まれるし。OPとかにも話のつながりとか考えてしまったりしたりしちゃって…。
 OPでここまでの話の流れを考えてみると、黒くあった自分の心がある人とのつながりで色を取り戻す、でも結局また今までのより深い漆黒で塗り潰してしまう…みたいな感じですかね。勝手な意味付けですけど、作ってる方も何らかの意図はあるだろうからアリでしょう。

 ……ゆったり観てるのにいつの間にか考えさせられてる!“ef”、恐ろしいコ!!




第6話を振り返って。

◆第二期冒頭の台詞の帰結
 #1冒頭で優子がすれ違い様に発した台詞。

 「私、今でもあなたを恨んでいます」

 今回はその台詞の真意が明らかになる。子供の頃に自分と一緒にいてくれなかった事によって起きた悲劇。ある意味では優子が火村に対して積年の恨みを晴らしたともとれる(一時的とはいえ)。
 #6の後半はこれまでの関係の完成と徹底的な破壊が描かれている。#6までは大きく被害者よりであった優子が加害者の立場にいて火村を責め立てるというのは驚きと辛さの裏側で一定のカタルシスを生んでいる。

 ゆっくり的に行くと「ピュアな恋人同士になれると思ったの?バカなの?死ぬの??」、みたいな感じのどんでん返し。

 わかってはいるんだけど、演出が思いっきり火村を責めるような描写に徹底しているからそれなりに感情を揺さぶられずにはいられない。

 この展開は、優子が長い間待ち続けてきたものでもあるのだから。


◆故意、もしくは無意識下の拒絶
 再会から紆余曲折を経て火村が出した「好き」だという答えに対する優子の言動。火村の答えに対して優子は感動もしているが、その悦びの裏にあった感情は不明である。しかし彼女の本心がどうあれ、これはどう見ても拒絶であるとしか捉えられない。

 扉を開かなければその闇は見えなかった、けれども闇の見せ方にも色々あるのではないか。どう見せても内容は脚色できないのは確かだが、それでも火村に易しく受け入れさせるような術はあったのではないだろうか。

 …無いというのは重々承知である。彼女なりに考えた方法であるのだと捉えても十分問題は無いだろう(長年迷っていた事であるのだから、実際にはそう捉えるのが正しい)。

 ただ、火村にああして自分の闇を曝け出したのは、彼女自身の意思であろうと無自覚であろうと、彼の気持ちに対しての拒絶としか考えられない。


◆受容できる問題か、否か。
 優子の行動の裏には少なからず「自分のすべてを、火村に受け容れてほしい」という気持ちがあった筈である。視聴者側から見れば、それは叶わない幻想だと言いようが無いものであるが。

 彼女自身もその気持ちでいた筈だ。自分の希望は叶わない、と。

 なぜなら、火村は自分とは違う生き方をしてきた人間だから。
 なぜなら、火村は自分とは違う人間関係を築いてきたから。

 何よりも、火村は自分を選ばなかった人間だから。

 再会した後、優子が火村に対し自分と別れた後どうしていたのかと聞いて得た答えに集約されていたとも言える。火村のこれまでの過程は、修道院でずっと一人でいて、高校に進学して一人で生きていこうとした…「それだけ」である。「それだけ」でしか無かったのだ。

 そこに優子が少なからずの希望を見出したのは、火村が幼少の頃に妹を失ったあのときのまま、空虚でいるのではないか…自分が彼の足りない部分を埋める事が出来るのではないかという憶測が可能だったからであろう。
 そういう意味では再会後、彼女にとって火村はいてくれるだけで幸せになれる存在であったと言える。

 だが、今回の久瀬の演奏を聴いて彼女の憶測は打ち砕かれた。火村には日の当たる友人がいたのだから。自分と同じように、日陰に佇む存在ではなかったのだから。

 薄くても、長い間日陰にいたのならば闇に呑み込む事が出来たかもしれない。

 しかし火村は日の当たる所にいた存在であり、日の当たる方を向いていた。

 彼に雨宮優子の闇を受け容れられる筈が無かった。


◆真意再考
 優子の今回の行動の真意が何処にあるのか。叶えられないとわかっていて、何故屋上で拒否しなかったのか。

あの時にはどうするコトも出来なかったのに、火村を責めて。

どうしたいの?

引き上げられたいの?引きずり込みたいの??

バカなの?死ぬの??

 …失礼しました。とにかく優子の真意がどこにあるのかを考え直してみましょう。


*本性をさらけ出すってコト=火村がその心情をぶち撒けるにたる人物だと信用している
*優子は火村を傷つけたかったのか?=半々。恐らく。取り繕わないでだそうとしたらああなった、とも解釈出来る。


◆ぶち撒けて何がしたかったのか。
*罠に嵌めたかった?
*一緒にいたかった?
 無理でしょ。そんな簡単じゃないよ。立場も過去もそこに至るまでしてきた選択と過程がアレなんだから。

 本音を打ち明けられる相手が欲しかったというのは確かなんでしょうね。というより、全てをぶつけられる人間というか。自分に同化してくれる人間と言いますか。
 共依存というか、互いの傷を舐めあうような関係(by Zガンダム)っていうんですかね。

◆触れ合えば傷付く関係
 前回、#5のラストあたりの凪の発言を振り返ってみると、彼女は景と千尋の関係を「触れ合えば傷つく関係」だと評してます。

 出逢えば必ず過去の傷を開き、拡げてしまう…そんな関係。これは、火村と優子にもあてはまるのではないのでしょうか。

 幼少の頃、優子は震災での家族の死を埋める人を求めていました。その人の為なら、何にでもなるとさえ考えていた節があります。
 火村が彼女を妹にしていれば、悲劇は起こらなかったのか?いえ、火村は火村で震災で妹を亡くしており、一部その妹を偶像化している節があります。無理矢理火村が優子の兄になったとしても雨宮明良と同様、自身の本当の妹との違いに悩み、雨宮明良とは異なるにせよ悲劇は起きていたでしょう。

 火村は過去の幻想に苦しみ、優子は彼の過去につながらない現実に苦しむ。出逢わなければ幸せでいられる繋がりであったとも言えるでしょう。

 まぁ出逢わなければ幸せでいられたのは火村でしかない訳で、そう考えれば火村と再会できた事で優子は一方的に不幸を背負うことが無くなったという点でよかったとも考えられますが。

 それでもこうして火村に真実を打ち明けた以上、優子と火村は真に引き合わせてはいけない関係…触れ合えば傷付く関係になった訳です。もがいても無駄です。今の状況を清算したとしてもお互いがその気持ちに、全てに区切りを着けなければこの関係は解消できません。

◆優子の真意とは。
 …火村は結末がどうであれ動くでしょうが。となれば、優子に対する好意的な解釈として『火村への思いやりがあった』と考えられます。
 彼女が自分と火村に起きる必然的な結末まで全てを把握して出した結論なら、それも一つの優しさとして受け止められるでしょう。身勝手という評価も付き纏いますが、若さ故の感情の暴走と解釈するのもアリではないでしょうか。


 長々と述べてきましたけど、結論を出すのは難しいですね。続きを観ないとその結論はまだ推論でしかありませんし、結末を見ても当時の心境なんて二律背反合い混ざったものであるのが正しい人間の心理であるとも言えますし。

 ああ、でも火村に自身にある真理が当然だとしている優子は身勝手だと言わざるを得ませんよね。ラストの方で火村が述べた美辞麗句を欺瞞だと斬り捨てますが、実際の所中高生一人が出せる答えなんてあんなもんですし。
 この展開に至るまで火村に出来たコトは優子の真実、本性を知る事だけでありまして。彼個人が出来た行動は孤児院の頃の、あの質問への解答だけしかないわけで。

 感情を剥き出しにして爆発させないからこんな事になるんだよ!…関係ないか。efのヒロインはいつも幕切れかと思わせる行動を取る時の心理をひた隠しにしてるから、だからこんなに厄介なんだ。


◆表題という本題に触れるまでが長すぎた。
 で、『果たして雨宮優子は救われるのか』という本題に入る。

 彼女の身辺の諸問題が解決されるという事を救われると定義するならば、救われる事は無いだろう。少なくとも彼女と雨宮明良との関係を清算するには第三者の存在が必要不可欠であり、それは決して広野凪や久瀬修一が請け負うことは不可能である。そして火村の人との確かな繋がりはそこにしかない。優子の兄…若しくはそれ以外の関係を火村が優子と構築してもそれは解決ではない。火村が優子に抱く諸感情は払拭できないからだ。そして優子はそれを望んでいない。つまり火村には優子を救えない。

 外野からの視点はどう突き詰めてもここにしか行き当たらない。では、内部からの視点はどうなんだろう。

 優子がどの時点での火村の行為を救いと考えてるかにもよるが、もしそれが叶ったのであれば優子はすでに救われているのではないかと考えられる。
 例えば、火村の登場。例えば、火村が正しく優子を好きだと本心から言ってくれたこと。優子の全てを見たこと。
 他人からすれば全てがマイナス面、不幸としか捉えられない点であるが、優子にとってはそれが救いだと…唯一の幸福であったと受け取るのではないだろうか。

◆最後に
 運命論からすれば、優子と火村は出逢った時から不幸を招き寄せる部分があったとも考えられる。喩え火村が優子を妹にすると選択したとしてもその約束を容易く引き破るのが大人である。そうあれば喩え火村があの時正しい選択をしても再会後に酷い痛みを受けるのは不可避であっただろう。
 
 しかし選択をする事で、あがく事で漆黒には少し明るみが生まれるのである。刹那の輝きとはいえ初恋の人に自分を照らしてもらえるのなら自身がどんな地獄に身を投じてもそこに苦しみを見出すことは無いと、そう感じるのではないだろうか。

 待つのが死だとしても。


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
雨宮優子は幸せになれるのか? 総てはオレンジの為に/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる