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zoom RSS 魔法少女まどか☆マギカ 第9話「そんなの、あたしが許さない」感想

<<   作成日時 : 2011/03/04 05:16   >>

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 それぞれの、叶えたいと思った夢の果て。(以下、エリア51)





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 僅かな可能性に賭ける事が出来るのは、それなりの確定要素が揃った時だけだ。





あらすじ:様々な変遷の果てに、ソウルジェムが濁りきったさやかは魔女になった。結界に取り込まれた杏子は、魔法少女となってさやかの骸を回収するも目の前の事態が理解できない。其処に駆けつけたほむらの手助けで脱出した後も、事実を受け入れることは出来ても苦々しい想いは抜け切れなかった。だから、さやかを探し歩いていたまどかが彼女が魔女になったのを知り泣き崩れた時に、杏子はその事実を淡々と伝えたほむらに義憤でもって掴みかかる。

 杏子は、目の前の悲劇に納得できなかったのだ。


 同じ夜に、ふさぎ込むまどかの元にキュゥべえが訪れる。謝罪のつもりで来たというキュゥべえは、機械的に合理的な魔法少女へのシステムを説明する。だが、今のまどかにはキュゥべえが話す魔法少女が生まれるに至った経緯も彼が掲げる大義も全てが異質なものにしか受け取れなかった。詰まる所キュゥべえが、キュゥべえたちが持ち出す摂理を理解できなかったまどかは、キュゥべえを敵だと認識し…拒絶する。

 その去り際にキュゥべえは「いつかキミは最高の魔法少女になり、そして最悪の魔女になるだろう」と告げる。まどかはその言葉をただ受け入れ…泣き伏せるしか出来なかった。


 翌日、仁美と通学する途中でまどかは杏子に呼び出される。杏子の相談内容は単純明快、さやかを助けたいという事だった。今まで長い付き合いだったまどかの呼び掛けなら、魔女となったさやかが自我を取り戻すかもしれない。それは僅かな可能性でしかない。だがそんな『最後に、愛と勇気が勝つストーリーに憧れて魔法少女になった』コトを思い出した佐倉杏子に迷いは無かった。彼女の提案を、まどかは快く受け入れる。


 夕刻。探しだした結界の奥で、さやかを救い出す為の二人の戦いが始まる。二人の目の前に立ち塞がる魔女となったさやか。それに対してまどかは必死に呼び掛けていく。今の姿は望んだものではないだろうと。しかし立ち戻ろうとする気配は一向に見えず、まどかを庇いながらの拠点防衛に徹することになった杏子は次第に劣勢になっていく。

 まどかと杏子が賭けた可能性、深淵へと落ちていく中で杏子が求めた一縷の可能性は叶うことなくさやかは魔女として在り続けた。

 それでも諦めきれない杏子は、まどかを助けに現れたほむらに「自分が全てを引き受ける」と告げ、ソウルジェムの解放によって文字通り魂を賭けた特攻を敢行した。その結果、魔女となったさやかがどうなったかは分からない。


 ただ、佐倉杏子は脱落した。結界に再び訪れたキュゥべえに、ほむらは感情を押し殺して尋ねる。

 「美樹さやかが魔女から魔法少女に立ち戻るコトはあったのか」、と。

 「不可能だ」と即答するキュゥべえ。まどかが、杏子が賭けた可能性はもとより存在してなかったのだ。

 だが、佐倉杏子の脱落には大きな意味があった。間もなく訪れるワルプルギスの夜。単独の魔法少女では決して太刀打ち出来ない存在に、暁美ほむらは一人で挑むコトになる。そうなれば必ず、ほむらを助ける為に大いなる素質を秘めた彼女、鹿目まどかは魔法少女としての契約を取り結ぶ。

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 キュゥべえの描いた脚本通りに舞台は進行していた。

 終焉の時が、近付いてゆく。




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■嵐のように愛情を込めて

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 魔法少女として戦う為の肉体がソウルジェムを失い、ただの亡骸になった。放っておけば死体として腐乱するコトだってあるモノに。

 かつて美樹さやかとして存在していたそれは、ただの亡骸になった。そこに在った彼女の魂は今は醜くただれた魔女として存在し続け、肉体に還るコトは決してない。


 彼女が魔女になった理由は別記事で書いてみました。今回は魔女となって展開した結界の描写について言及したいと思います。

 いや、見ててツラかったですね。魔法少女になった頃から回復魔法の描写は楽譜だったりしたんですが、結界の奥に侵入する経路にはコンサートの告知ポスターが貼られていてその奥では盛大にコンサートが開かれているわけですよ。


 さやか…お前まだ上條のコトを…みたいな感じのイヤーな気持ちが匂います。しかも演奏されてるのがMagiaの別アレンジというね。EDがKalafinaで音楽がそれを率いる梶浦由記さんだからこそ出来る演出。本当に絶望の匂いしかしない。

 んで一縷の望みにかけてまどかはさやかで在った魔女に呼び掛けるわけですけど、全然聞いてくれないんです。さやかの心を真に解き放てるのは、本当は上條恭介なんですよ。少なくとも揺さぶれる存在は彼しかいない。

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 このシルエットで何かうわーってなりますよね。確かにまどかは大切な存在であったに違いないんだけど、自閉した精神を開放したいと思えるような存在ではなかった。その揺るがない真実がすごく残酷ですよね。まどかは、呼び掛けではさやかを救えないのだというのが本当に辛い。


 もう、倒すしか無いんですかね。


■杏子が賭けた、存在し得ない可能性

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 忘れていた筈の夢を思い出した佐倉杏子。でもそれは叶う筈の無い夢物語であり、常々肝に銘じている「現実は甘くない」というコトを失念しているのだというコトに気付かない。


 ありもしない一縷の望みを賭けて戦っちゃった杏子。彼女はこれまで自分が生きる為に戦っていました。しかしそういう生き方をするようになったのは魔法少女として契約する時に叶えた願いのせいで家族と死別してからで、それまでの杏子は父親の為に戦おうとしていた健気な少女でした。

 美樹さやかと出逢った時に、生温いと断じた彼女の魔法少女としての生き方に自然と惹かれて杏子はいつか捨てた道を進んでいきたいと思うようになったのです。だからこそ、その道の果てにボロボロになって魔女になったさやかを理解し、受け止めようとするんですね。かつて自分が辿った道だからでもその努力もむなしくさやかは魔女として在り続ける。もうどうしようもなくなって、でも諦めきれなくて最後に杏子は特攻する。

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 かつて対立していた二人は次第に歩み寄るようになりましたが、最期はまた対照的になりました。さやかは絶望へ、杏子は希望に向かっていきました。それはただ一言「皮肉」といい表せるものですが、あんまり気分の良いものではありませんね。


■巻き込まれヒロインと宇宙

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 とうとう、まどかは逃げられなくなりましたね。マミの時点ではまだ先輩であり尚且つ然程長い付き合いでも無かったから忘れようとする、魔法少女になるという選択自体を捨て去ろうとするコトが出来ましたが、さやかが魔法少女になって以降彼女を見捨てられないまどかはズブズブと魔法少女の世界に首まで浸かってしまうわけです。


 さやかが魔女になった日の翌日、いつもの通学路でさやかがいない為に仁美と二人で学校に向かいます。そこでの会話で、まどかやさやかの住む世界が決定的に隔絶してしまっているのがわかるでしょうか。

 もう、二人も人の死を見ているまどかと未だ日常にいる仁美のコントラストがキツいです。今までは仁美の話に笑ったり気軽に相槌が打てたハズなのに、それが全く出来なくなっている。挙句さやかのように学校を休む。

 日常の感覚がまかり通る世界や生き方では無いにしろ、やっぱりまどかにはかつていたその日常から見えるものを忘れないでいて欲しいんですけどね。必ず魔法少女として生きるコトで、魔法少女の考えをするコトで欠落する考え方はあるのですから。


 しかしそうであってもキュゥべえの言う魔法少女が必要な理由は理解出来ないですよね。

 形を変えるごとに目に見えて減少していく宇宙全体のエネルギーを補完する熱力学に縛られない代替エネルギー、それが魔法少女の使う魔力。知的生命体の感情をエネルギーに変換する技術を開発した、感情を持ち合わせていない種族がこの宇宙の様々な種族を調査し見出したのが人類だった。人類の個体数や繁殖力を鑑みれば、一人の人間が生み出す感情のエネルギーは、その個体が誕生し成長するまでに要したエネルギーを凌駕する。人間の魂は全体の総エネルギーの必然的な目減りを覆しうる代替エネルギー源と成り得るのだ。とりわけ最も効率のよいのが第二次性徴期にある少女の希望と絶望の相転移。希望に満ちたソウルジェムとなった魔法少女が絶望に陥りグリーフシードに変わるその瞬間に膨大なエネルギーを発生させる、それを回収するのがインキュベーターの役割。

 ……インキュベーター及びその種族にとっては至高の目的であり宇宙規模の大義なんですけど、その絶望に陥り魔女へと変貌する…元々魂を奪われ殺される魔法少女、一人の少女のコトは何とも思ってないんですよ。あくまで悪意はないと言われても承服しかねますよね。

 ただ、キュゥべえ側には非常に合理的な理論が存在している。この理論に納得してしまう人はキュゥべえ候補…なのかもしれませんが、それでも人を犠牲にするということを簡単に決断することなんか出来やしませんよね。まぁそんなコトが出来るようになったら、しなきゃいけない段階になんかなったらその様子は狂気の世界に違いないワケで。


 杏子のセリフにも被ってきますけれども、只の気まぐれではなく「そうするしか他にない」ような状態で魔法少女になるというのが狂気の沙汰になるわけで。コレが最終回への伏線になると思うと怖気が立ちます。「否が応でも命がけで戦う時が来るかもしれない」という杏子のセリフも完全にフラグです。

 もうまどかは後には退けないでしょう。マミの死を目の前で見て、さやかが魔女になったのを受け入れるしかなくて、杏子が希望に向かって散っていった今となっては。


★次回予告★

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 「誰も、未来を信じない。誰も、未来を受け止められない…」

 「もう、誰にも頼らない」



 エンドカードが凄い格好いい杏子でかつ可愛い杏子で、もう何と言ったらいいのか分かりませんが「この路線をもう少し観たかったな」とも思うんですが今回の彼女の最期も嫌いじゃないというジレンマに溢れています。うわーん、杏子良い子だったよー、本当に良い子だったよー!あんさやもさやあんも嫌いじゃないわ!嫌いじゃないわ!うわーん!

 …みたいな無様な有様を呈する事態になりましたが、みなさん如何様に絶望しておりますでしょうか。
 

 キュゥべえの目的は宇宙規模のエネルギー減を解消する代替エネルギー源として最大の利益をもたらすであろう鹿目まどかを魔法少女にして、そして魔女に変換すること。

 これを打ち砕くには、その種族にもう充分だと思わせるだけのエネルギーを与えるか寧ろそちらに感情を芽生えさせるかしか無いと思うんですが、その解決策も荒唐無稽で尚且つ魔法少女における数々のノウハウをキュゥべえ側が握っている以上逆転の可能性は限り無く薄いと思うんですが…。

 対抗馬である暁美ほむらはどういう存在なんでしょうね。その種族の中で唯一感情の芽生えた個体であるとか、そういう面白い正体を期待しておきましょう。


 さて、一人で全てを背負うことになった暁美ほむらが立ち向かう巨大な壁とは。そしてそれを受けて鹿目まどかはどう動くのか。キュゥべえの目論見通りに全ては収束するのか、それとも。

 次回はほむらに思いっきり焦点があたりそうで期待大です。ひとまず今は杏子に黙祷し、さやかの哀しみが癒えるのを彼女の死ぬ間際の行動と同じように祈りましょう。


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内 容 ニックネーム/日時
8話で殺されたキュゥべえと新しいキュゥべえが同じ生物の別個体なんだとしたら、あの一族にとって仲間の死は特になんてことのないものだということになりますね。
だとしたら、その方が合理的だからまどかに死ねと発言したことも、本当に悪気がないんでしょう。
自分たちの一族の一部が死ぬことで宇宙の寿命が延びるなら、何の問題もなくそれを実行するんでしょうね。

これもかなり深い話ですねえ。そしてキュゥべえとの和解エンドはありえないでしょうね。
なし
2011/03/10 17:17

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