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zoom RSS BLOOD-C 第四話「なげけとて」感想

<<   作成日時 : 2011/08/02 21:07   >>

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 自分の感じる異常が日常に呑み込まれるという恐怖。(以下、モザイクきた!コレで映像ソフトの付加価値ついたで!)



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 「今回盛り上がったよね!」と思って同意を求めようとしたんだけど、そうでもなかった時のガッカリ感。…面白かったよ!




[粗筋]
 日常が非日常に蝕まれそうになる。それを気に病み、小夜はいつも以上に気負う。自分が助けられなかった鴬商店店主は未だ失踪として扱われていた。これ以上<古きもの>から何者も守れないのはイヤだ。父に心配をかけたという思いもあり、もっと強くあろうという決意をもって小夜は夜の町を駆ける。

 湖畔に差し掛かった辺りで、小夜は三匹の<古きもの>が群れをなして男たちを襲っているのを目撃する。応戦するも首領格らしきものの指揮から繰り出される同型二匹の連係攻撃に圧倒され、気を失ってしまう。

 意識を取り戻した小夜が眼にしたのは、息絶えた男二人が無残に喰らわれる光景だった。もう一人も鳥型の<古きもの>に組み伏せられ命が危ぶまれる状態で、助けださなければならないと小夜は立ち向かっていくが二匹を突破出来ない。そうする内に鳥型の<古きもの>が小夜に語りかける。

 「我らは我らの為に喰らう。邪魔立てするのであれば、主を喰らうまで」

 これに対し小夜は「戦うことだけが、為すべきこと」として<古きもの>たちに再び攻撃を仕掛ける。やはり力及ばず窮地に陥るが、覚醒した瞬間に形勢は逆転した。難なく二匹の<古きもの>を撃破し、鳥型の<古きもの>の首を刎ねる。戦いが終わり、小夜は男の元へ駆け寄り脈を確認するが、時既に遅く事切れていた。動かなくなった男の死体を悲しげな顔で見下ろす。
 また、非日常の事象を日常に持ち込んでしまった。

 気が付くといつの間にか神社への石段を上り帰ってきていた。記憶の齟齬に戸惑いながらも、傷を負った娘を心配する父に抱きとめられながら微睡み…眠りに付いた。

 明くる日、傷が深かったコトもあって小夜は予鈴も鳴り終わり出欠確認をしている最中に登校してくる。申し訳ないと謝る小夜に、担任の筒鳥は笑って返す。

 「今日もいい天気だし、何にも騒ぎは起こってないし…。また平穏な、いい一日になりそうだからね」

 戸惑う小夜。教室の窓の外には限りない青空が、教室の中にはいつもと変わらない風景が広がっていた。この上ない日常の風景に、小夜は明らかな異常を感じるのであった。



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◆今回の百人一首◆

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【百人一首(八六番):嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな(西行法師)】

現代語訳:「嘆け」と言って、月が私を物思いにふけらせようとするのだろうか? いや、そうではない。(恋の悩みだというのに)月のせいだとばかりに流れる私の涙なのだよ。

※引用元:小倉山荘『ちょっと差がつく百人一首講座』

 この歌は「月前の恋」というお題を前にして詠まれたものだそうです。このお題がどう解釈されたのかについては方々探しても適当な解答が(解答例にしても同じ)見当たりませんでした。
 そもそも歌の解釈にしても、上記の現代語訳はあくまで一つの解釈であって他にも「(涙を流す理由を突き詰めて)それは恋の相手だ」なんてトコに落とし込むものもあります。第四話では「個人的な感情を投げかけた、叙情的なものであるとする」のが最適だと感じたので没にしてます。古文は当時の時代背景や書き手・読み手の背景なんかが今の解釈に頼るしかなくてややこいんですよね…。「月前の恋」がハッキリどういうものであるかわからないから解釈もブレるんだと思うんですが…。

 閑話休題。今回はそんな歌の中身よりも歌のニュアンス…というか「訳の分からない行為・事象の源泉は一体どこにあるのだろうか」といった部分が内容と照らし合わせると似通っているのではないかと思います。小夜の中にあるものの正体とは?とか、ラストの風景に感じる違和感の正体とは?といった部分ですね。


■反転する日常

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 今回の見所はラスト〜EDが全てだと言っても過言ではないでしょう。今までちょこちょこ挿入されてきた日常の風景から小夜が浮き上がる(特異なものとして浮かび上がる)ようなシーンが、一転して「この日常こそが異常なのだ」と迫るかのような余韻からのED、本編の同じ構図のカットからEDの非日常を映したカットへパッと切り替わる訳ですよ。
 EDへのヒキって大体本編の引き際で曲のイントロが入って〜なんてパターンが多いと思うんですけど、今回のパターンもいいと思うんです。そうそう無いんですけどね。

 小夜と<古きもの>が異常なんじゃないかって思っていたら、日常パートこそが異常だったなんて(いやまぁ前2つが異常なのは変わりませんけど)思いもしないじゃないですか。パン屋の一件もあって地続きだと思い込んでいた日常と非日常にズレが出来上がっていたっていうのは凄い気持ち悪いです。しかも日常パートの異常と戦闘パートにおける異常はベクトルが違うというのがその気持ち悪さに拍車をかけている。

 この違和感の原因がハッキリとわかるようになると、また面白さが増すと思うので次回以降も期待したいです。今回はこの違和感(ズレ)が何よりのスパイスだったというコトで良しとしましょう。


■小夜と小夜でない何か

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 小夜が彼女自身の内面に別の何かを宿しているコトは前回でも示唆されました。今回の描写においてもその点については間違いないと思います。確実にそれだと判るのは<古きもの>との戦闘が終わってからのくだりですね。

 前回(第三話)においては電車に取り憑いた<古きもの>が「主、約定を守れ」と言っていたのは記憶していたようで、というコトは覚醒してから戦闘終了(相手に止めを刺す)までが記憶の飛んでいる部分になるのでしょうか。実際の所、規則性はなく不規則なものであるとなってしまうと手の付けようが無いですし、ご都合主義とか感じちゃいますしもう少し手がかりが欲しいですね。

 手がかりといえば、今回ようやっと小夜が追いかけていた光の正体が明らかになりました。それと共に何か別の記憶も掘り出されてきたようですが。

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 光の正体は御神刀とは異なる(少なくとも鍔の形が違う)刀の剣閃、連鎖して掘り出された記憶は三荊学園の制服とは違う制服で翼手とおぼしき<古きもの>を斬り伏せる小夜(らしき少女)の姿。

 セーラー服(小夜のは違いますよね?)で翼手を斬り倒していたのが小夜であるとすると、これまで断片的に映されてきた映像からして以前は現代社会というか都会で何らかの活動を行っていた(ただその時の記憶は封印されている)っていう推測が出来る訳ですが…これがどう作用するかは全く見当がつきません。ストーリーのさらなる進展を待つしか無いでしょう。

 現時点で考えてみると面白い疑問は、「果たして更衣小夜に巫女としての能力が正しく備わっているのか」です。

 意地が悪いですよね。でもここまでの流れからすると、ただ単に「<古きもの>を討つ」というそれだけの役割を与えられただけの少女という捉え方も出来るので間違いだとは言えません。ここら辺の疑問はきっと「更衣小夜という少女の正体とは何か」がハッキリと示される時に氷解するでしょう。


■浮島の巫女と<古きもの>

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 今回も喋りました<古きもの>。鳥さんと双子の緑っぽいのですね。

 ちょっと本題に入る前に別の話をしたいんですけど、三話でもあまりにも自然に腕飛ばしたりモツ散らかしてたりしてたので「大丈夫なのかな」とか思ってましたが流石に今回はモザイクとか影入れみたいなの入ったんですね。水島監督だからサラッとやっちゃうんでしょうね。仕方ないですね。(余談ですけど春アニメの同監督のアザゼルさんもIGでしたね)

 あとやはり敵側が喋ったら話が締まりますね。意図を考えられるから広がりも出てきますしね。


 さておき、双子の<古きもの>を羽の音か何かで操っているコトに驚く小夜に対して鳥さんはこう返します。

 「主らとて同じであろう。上のものが下のものを動かし、動かしたいものの為にまた動く」

 コレだけなら人間と<古きもの>の生態の類似みたいなトコで納まりますが、そこから約定の話へと転換していくわけです。

 「しかし、動かせぬものはある…。 『約定を守れ』。 『シュジキメン』よ…。我らは我らの為に喰らう。邪魔立てするのであれば、主を喰らうまで」

 つまりは、一定の規定(約定)をもって<古きもの>は人を襲っていた訳で「山の獣かなんかと同じ扱いをしておけば良かったのか?」という可能性も浮上しますが、恐らく人間のエゴ的に看過出来ないでしょう。そもそも一定以上の力を持つ(立ち向かうことが難しい)怪物に対して生贄を捧げることで鎮めようとするなんていうのは、いつの時代の慣習だって話にもなりますし。

 ただ、コレで浮島の巫女と<古きもの>の関係や舞台である浮島地区の奇妙な風景などに様々な仮説が立てられるような気がします。

 <古きもの>と約定を交わしたのは他ならぬ浮島の巫女(ないし浮島神社・浮島の人々)であり、<古きもの>の過剰な捕食に歯止めを利かせようという目的で交わされたものであった。

 小夜の父・唯芳が使う八卦は<古きもの>が現れるのを察知するものであるが、本来は<古きもの>を討つのではなく<古きもの>に喰われるのを回避する為に用いられていた。浮島の町の住民が夜中全く表に出ないのは古来からの慣習であり、外に出れば<古きもの>に喰われるのでどんなコトがあっても夜が明けるまでは家の中にいるように努めてきた。


 ここまでだと<古きもの>の取り分が少ないように感じられますが慣習を守らない・失念する者はちょくちょく現れますし問題ないかなぁ、と。上記の部分に加えて、浮島の巫女の役割について「浮島地区の住民に危機回避を促し、自らが生贄となる覚悟で<古きもの>を討ち果たそうとする」コトであると考えれば、長い間浮島の巫女と<古きもの>との間にあった関係がなんであったのか納得がいくでしょう。

 協調関係を保ちつつ、裏では徹底した敵対関係をとっているのだと。

 ただこれはあくまでも仮説ですし、現在どういう関係であるのかも流動的でありますから確定事項ではありえないんですよね。「シュジキメン」の意味もわかりませんし。…きっと何らかの取り決めなんでしょう(語感だけで判断するに)。

 今後恐れるべき展開は、約定が破棄されて<古きもの>が昼夜問わず人を襲うようになるコトだと思います。そもそも浮島の人々はどうやって<古きもの>と約定を取り決めたのか。力関係では圧倒的に不利であったハズの人間が約定を取り決められる程の立ち位置に立てた要素とは何か。そしてその要素が作品中にどう作用するのか。

 小夜が正しく浮島の巫女であるのかどうかという問題と並行して追っていきたい問題であります。


■闇に蠢くのは

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 第四話では、今まで築かれてきた平穏な光景が少しずつ揺らぎを見せるような描写が所々に見受けられます。

 冒頭の小夜と唯芳の会話も然り、他人の目を気にせず歌っていた筈なのに途中で途切れた小夜の鼻歌や「もっと強くならねば」と決意した小夜の背中を見つめる犬(?)、無用心に文人を信頼する小夜を諌める時定(ちなみに無条件で「好き」というコトの良し悪しに関しては、過去のCLAMP作品で語られたりしたコトなんで多分深い言及はないでしょう)、ひいてはラストの筒鳥センセの「何にも騒ぎは起こってない」の一言であったり枚挙に暇がありません。

 前半で特に印象的であったのは、CAFEギモーブでの文人と小夜の会話〜モノローグへの流れでしょう。始めは和やかな会話にほのぼのとしたBGMが流れているのですが、だんだんとメロディはそのままに…しかし演奏は強く大きくなっていき、小夜が笑顔でギモーブを口にした瞬間にBGMは途絶え、刀の剣閃と真っ二つにされる<古きもの>のシーンがフラッシュバックする訳です。
 コレで一気に全体の雰囲気が変化して後半にかけての戦闘パートを盛り立てていきます。

 しかし一気に文人さんが怪しくなってきましたね。今まで「怪しい『かも』」までに留まっていたのが、完全に真っ黒ですよ。恐らく小夜に何らかの細工をしたのは彼でしょうし、その細工のカギになっているのがあのギモーブだったりするのでしょう。きっとアレですよ、カフェギモーブには秘密の部屋があって其処で小夜になんらかの改造手術を施していたんですよ。んで時定くんは文人さんの実験体の一つだった…とか。

 そんなワクワクする予想はさておき、小夜に何らかの細工が施されてるのがモノローグでも示唆されています。

 「人の感情を変えるのは難しい。それがどんなものでも、心に深く刻まれたものならば。…一番難しいのは『憎悪』か。『憎しみは持続しない』と良く言われるけど、それは『消える』という意味じゃない。表立っては見えない所に隠れるだけで、ちゃんと残っている。そして、ほんの小さな切っ掛けで…また姿を現す。
 さて…そんな厄介な憎悪だが、消せないならどうするか。やはり、それと同じ強さの感情を上書きしてしまうしか無いだろう」

 「『憎悪』と同じ強さの想い…そう、それは『愛情』と『信頼』だ」


 前回ラストのカットでもそうですが、もしも文人さんが小夜に何らかの細工を施した関係にあるというのが確かだとすると、必然的に彼は小夜から何らかの憎悪を向けられる対象であったというコトも確かになる訳で、果してそういうコトになった原因とは何かが凄く気になります。

 間違いなく文人さんド外道ですからそれなりのコトをしてるんでしょうが。

 あと、気になる部分は今回被害にあった三人組ですね。ポロッと「話が違う」と言っていましたが、誰からどういった話を受けて、網で何を掬おうとしていたのか。筒鳥センセのセリフからしても、あの三人組はきっと浮島地区の人間では無く外の人間だとは思うんですが、何故呼びこむ必要があったのか。適当な理由をでっち上げて囮にしたとかで無ければ、あの湖に何があるのか。謎がいっぱいです。

  筒鳥センセも怪しいですよね。第三話で小夜に言った「何かあったら言ってね」と同じセリフを文人さんが今回吐いているあたり、この二人何らかのつながりがあってもおかしくないですよ。コレで筒鳥センセが<古きもの>を使役したりなんかしたら間違いなくクロなんですけどねー、なかなか無いでしょうねー。


 個人的には、文人さんと筒鳥センセを黒幕として小夜を中心に唯芳さんやら級友たちが巻き込まれて話が展開していくのだと予想しておきます。次回も楽しみです。


◇次回、第五話「めぐりあひて」◇

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【百人一首(五七番):めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半(よは)の月かな(紫式部)】

 前回同様、詳細な現代語訳は次回に回します。「友とのあわただしい再会を月に託して惜しんだ歌」という背景もそうですし、「めぐりあひて」という言葉からしても次回は何らかの邂逅イベントが発生するコトまちがいなしですよ!

 浅い次回予想だと、クラスで怪談話をするのに乗じて筒鳥センセが<古きもの>を使役しようとするんだけど制御しきれずに食べられちゃって云々・・・ですけど、まぁそういうのは無いと思うんでもっと何かちゃんとした展開が待ち受けているでしょう。きっと。


 この「BLOOD-C」、明かされていない謎が多すぎて把握しきれないというかポイントを押さえ切れていないのが実情なんですが(更新が遅いことの遠因だったり違ったり)、大きくまとめると「更衣小夜について、浮島神社・浮島地区について・古きものについて・各キャラについて」の4つになりそうです。それぞれが密接に絡み付いていて区分するのが難しいのですが、今後はこれに沿って感想記事も書いていきたいです。本当、速やかに。


 では次回に期待を寄せて、次回の感想記事の早期完成に願いを込めつつ今回の感想記事は〆たいと思います。またお会いしましょう。




 時定と小夜の「好き」ってコトの正しい在り方はCCさくらで出たテーマの一つだった(自分の中での認識)なので、そこら辺気になる人は是非少女漫画コーナーに今もあるかわかりませんが原作のCCさくら全12巻を書店でお買い求めください☆ あ、ツバサはいいです。

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◎BLOOD-C第4話「なげけとて」
昨日フルキモノに言われたこと。「主、約定を守れ」といわれてた。どういう意味なのかと話すが、結局父にもわからなっぽい。パン屋は結局行方不明になってしまったらしい。サヤはイ... ...続きを見る
ぺろぺろキャンディー
2011/11/04 17:31

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