魔法少女まどか☆マギカ 第7話「本当の気持ちと向き合えますか?」感想

 どんなに自分が辛くても哀しくても、置かれた現状が自分の選択した結果なら其処から正しい道を探し求めて進まなければならない。それでも、非情な現実を突き付けられたら人は過ちを犯すコトを躊躇わない。(以下、仁美の目が怖い)



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 恋は、戦い。




あらすじ:魔法少女における真実を知った夜、さやかはキュゥべえを詰問する。私たちを騙したのだと、この心を踏みにじったのだと。だがにべなく躱され、今ここに存在する身体には骸なのだという現実だけが残るのみだった。


 夜が明けて学校を休んださやかに、杏子が接触する。彼女に連れられ、訪れた廃墟となった教会でさやかは杏子の過去を知る。かつて、魔法少女としての願いを他人の為に使った少女の昔話。

 杏子の父は教会の神父だった。ある時、信義に従い彼は教義と外れた説法をしたが為に破門、迫害されてボロボロに朽ちていった。5分あれば納得してもらえる筈なのに。誠実な父が誰にも理解されなかったのが杏子には耐えられなかった。

 だからキュゥべえと契約した。父の新しい信仰に人が集まるようになった。対価として杏子は魔女と戦うようになった。暫くの間、幸せな日々は続いた。しかし、杏子の父は真実を知る。彼の力で得た信仰では無かったのだ。やがて酒に溺れ、狂い、家族を道連れにして無理心中した。

 杏子の祈りが、総てをぶち壊したのだ。


 さやかは何故、自分にそんな話を聞かせるのかと問う。杏子の答えは単純だった。魔法少女には魔法少女でないと語り合えない。さやかは既に願いと引換えにならない程の代償を支払った。ならばその余剰分を受け取るように、好き勝手に生きれば良い。

 彼女の差し伸べた救いを、さやかは払い除ける。確かに支払った代償は高かった。だがそれで得た力でもって誤った道に進むのを正当化するのは間違っている。

 人のために祈ったことを後悔しない、嘘にしない為に戦う」という、魔法少女として自分の進むべき道を見定めたさやかは何処か吹っ切れたようにも見えた。


 だが杏子との会談の翌日、さやかの心は松葉杖をついて登校した上條の姿と放課後の喫茶店での志筑仁美との会話で大きく揺さぶられる。未だに上條に真っ直ぐな気持ちを伝えられないさやかに、仁美ははっきりと自分の気持ちを伝えたのだ。

 「ずっと前から…私、上條恭介くんのコトお慕いしてましたの」

 勿論、さやかが上條の幼馴染みであり片想いをしているコトは分かっている。だから宣言した。大切な友だちでもあるからこそ、何のアドバンテージも引け目も後ろめたさも無しに、剥き出しの感情で仁美はさやかにぶつかる。

 「翌日、上條に告白する。それまでに心を決めて欲しい」と告げて仁美はさやかの元を去っていった。その時、醜い感情が湧き出すのをさやかは止められなかった。


 魔女退治に向かうさやかを、MCの入り口で待ち構えていたまどかが迎える。「さやかにはひとりぼっちになってほしくない」と、そう真っ直ぐな気持ちを伝えるまどかに対してさやかは感情を溢れさせた。自分には優しさを与えられる価値なんて無いからと、そう言って。

 「私ね、今日後悔しそうになっちゃった。あの時仁美を助けなければ…って、ほんの一瞬思っちゃった」

 もう正義の味方である資格なんて無い。仁美に上條が奪われてしまう。第一、こんな姿形で上條に愛なんて伝えられない。

 悲嘆に暮れるさやかはゆっくりと狂おうとしていた。


 そして、魔女との戦いの中でさやかは心を黒く塗り潰す。

 「その気になれば、痛みなんて完全に消しちゃえるんだ!」

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 口を大きく開いて笑い、刃を突き立て魔女の息の根を止めた。



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■願いの先にある幸せな結末には届かない

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 さやかは基本的に不幸な人物です。不幸といいますか、幸せバカといいますか。奇跡を引き起こしてしまったが為に不幸になってしまった典型とも言えるかもしれません。

 さやかの進むべき道は、間違いなく絶望の淵に立たされた上條を救って彼の支えになる事だった筈です。しかし、自分が五体満足な状態でのうのうと生きるような現実にも、上條の気持ちをもっと深いところで理解出来ない現実にも耐えられなかったさやかはキュゥべえと契約してしまった。

 そして一縷の希望としていた正当な道を進む魔法少女になるという可能性も、志筑仁美との会話で湧き出した気持ちによって潰されてしまいます。清濁を織り込んだ生き方をマミさんはしていたハズなんですけど、まぁそこら辺は美化しすぎと言いますか理想としているものが高すぎたといいますか。でもその理想の壁の高さにさやかは打ちひしがれる。

 痛みに耐え切れなくなった精神は、やがて砕けて歪んでいく。

 ラストで笑い出したさやかの姿には薄ら寒いものを感じてしまいます。戦いという窮地、緊張状態にいれば自然と考える事を忘れられる。でも彼女自身が帰れると思っていた・守りたいと思っていた日常からは目を背けて離れていくばかりで、いつしかさやかは自分の信じる正義や正しさの尺度で行動していくようになる訳ですから。


 どうなるんですかね、さやかは。

 キュゥべえに「身体的な痛覚を遮断するコトも出来るが動きが鈍くなる」って言われてたハズなのに、現実に耐えられなくて痛みを遮断しますし。そんなコトしたって心の痛みからは逃げられないのに。

 願わくばさやかが取り返しの付かない過ちを犯さないよう祈るばかりです。


■杏子について

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 悪い人じゃないといえば簡単ですが、杏子の過去は一概に正当化出来ません。自身の悲惨な過去を、自分の願いで起こした奇跡が招いた末路を清算するように生きる姿は確かに頷けるモノがあります。

 ですが彼女は現実において正当な手段でモノを得ようとはしません。喩え過去が凄惨で「そうしなければ生きられない」程であっても、その手段を正当化するコトは出来ないのです。

 対話の前に差し出した林檎をさやかが無造作に落とすのに怒ったりと、モノの大切さはわかっているだけに何とか幸せに生きられないのかなとも思うんですが。

 今までこうして生きてきた、今更どうしろって言う所でもあるんですよね。

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 それでもさやかとの対話の後、静かに魔女と戦うのを見守っていたりさやかが窮地に陥ったら助けたりするのには心うたれるものがありますね。でもそれを払いのけて、さやかは自分を追い込んでいくわけですが。魔法少女同士の会話で生まれる希望はあっても、結局奇跡にすがった人間には現実に対抗しうる手段など見出せないってコトなんでしょうか。

 何らかの幸福な結末が杏子に与えられるように。本当祈ることしか出来ないなこの作品。


 あ、そういえば魔法少女になった杏子の胸元のデザインは彼女の父親が興した新興宗教のシンボルなんですね。


■志筑仁美アワー(第7話)

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 お待たせしました、全国に何人いるか分からない志筑仁美ファンの方々。ついに私たちの志筑仁美が『魔法少女まどか☆マギカ』の表舞台に立つ時がやってきましたよ!

 まぁ、表舞台は表舞台でも修羅場だけどな!!


 マズいですよー、死んじゃうよー!魔女よりタチの悪い魔法少女に因縁つけたんだ、生きて帰れる気がしないぜェーっ!!

 志筑仁美が上條恭介との関係において何も言及されていない、ハブられている以上は何らかの形で関わってくることになるかもしれないというのは考えられていましたが、まぁマジで対抗馬にのし上がるとは。

 第4話で魔女の口づけを喰らったのは上條の左腕の完治の見込みが消滅したのがわかったからかもしれないとも考えましたが、退院したことも知らなかったみたいでしたし立ち位置的にはさやかより後ろのラインにいると考えるべきかもしれません。

 ですが、仁美自身の気持ちはひどく真っ直ぐです。正しさでいえば彼女の方に軍配が上がるかもしれないという程に。

 たった一度の告白で上條と仁美が結ばれるとも限らない。でもその一度から二人は幸せな方向に進むかもしれない。それがどうしても許せないのがさやかではあります。

 志筑仁美ファンからすれば、生き残ることが大前提。上條くんと結ばれることになってもそれはそれで問題ない(全話終わってから愚痴るべきコト)。なのでとにかく生き残って欲しい。


 嗚呼しかし哀しいかな、メタ的なコトを言えば中の人的に志筑仁美は梶浦サウンド鳴り響く悲劇の中で凛然と立つポジションにあるのでどうあっても惨劇は避けられないように思えます。

 うう、唯一作品世界に無理なく百合フィルターをかけられる人間だというのに、勿体無い!!(そこかよ


★次回予告★

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「あんたたちとは違う魔法少女になる。私はそう決めたんだ。見返りなんて要らない、私だけは絶対に自分の為に魔法を使ったりしない」

「あたしって、ほんとバカ」



 今回のエンドカード、杏子のヘソがエロくないっすか?


 そろそろ血が流れそうです。

 本編においても示唆されましたが、魔法少女の成れの果てが魔女である可能性がハッキリと見えてきた感があります。でも、何となくキュゥべえの台詞からして別のものであるような気もしないではないですが。

 キュゥべえの正体に関して言及したい所ではあるんですけど、ハッキリこうじゃないかという仮説が立てられないので明かされるその時まで何も言わずにおこうかなと思います。
 ですがまぁ、相手の問いかけに対してまともに返答しようとしない態度にはイラつきを感じざるを得ないですね。


 さて、次回に関しては魔法少女が使う魔法の向けられる先が正しい方向なのかどうかが問われそうでザワザワします。「やらないからな!絶対に、やらないからな!!」とフラグをバキバキ立てたさやかさんの末路も気になる所です。

 志筑仁美ファンは、ただひたすらに彼女の生還を祈るばかり。



 胸騒ぎのまま来週へ。頑張ります。

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