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zoom RSS BLOOD-C 第三話「ひとはいさ」感想

<<   作成日時 : 2011/07/26 13:30   >>

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 もし共に過ごしてきた友達が血に染まった姿で笑いかけてきた時、貴方は笑い返せますか。(以下、水樹奈々『純潔パラドックス』2011年8月3日発売)




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 アニメ「戦国BASARA」一期のEDを歌ったDUSTZさんが「BLOOD-C」OPを担当してます。

 OPいいですよね。サビからの「塗りたくられた血が次第にめくれていき、完全に剥がれた瞬間に赤い瞳になって覚醒→抜刀して鞘を放り投げて走りだす→向かってくる翼手を切り倒して空中納刀」はしびれますよね。
 本編中での<古きもの>との戦闘は地蔵と2話冒頭のもの以外はゲテモノというかイレギュラーすぎて観てる方が殺陣のリズムに追いつけていないのかな、と思ってます。…まぁ淡白っちゃ淡白だよねぇ。真っ赤だけどさ。




[粗筋]
 変わらぬ日常が揺らぐ。学校の帰りに級友たちと立ち寄った喫茶店「ギモーブ」で、更衣小夜は贔屓にしているパン屋の店主が数日前から失踪しているコトを知る。不審に思った小夜が父に相談すると、父・更衣唯芳は八卦に現れなかったコトを怪訝に思うも、間違いなく<古きもの>の仕業だと断じた。今までとは異なる展開に警戒するよう告げられた小夜は御神刀を手に人気のない夜の町を走り捜索していく。

 発見した店主が覚束無い足取りで進んでいくのを追跡する。やがて辿り着いたのは、線路に雑草が絡みつく程に時間の経過した廃駅跡。誰もいないホームに佇む店主を離れた所から観察していると、動く物など何もないハズの奥のトンネルから電車が一両廃駅に停車する。開いたドアから電車に搭乗した店主は一瞬正気を取り戻すも、為す術なく電車に「呑み込まれて」しまう。電車に取り憑いた<古きもの>との戦闘。かつてない強大な力をもった敵を相手に苦戦するも、覚醒した小夜はそれを難なく圧倒し討ち倒す。

 多量の血を噴き出して事切れる前に、<古きもの>は意味深な言葉を小夜に残した。

 「主、約定ヲ守レリ…」

 浮島の巫女、更衣家に課せられた使命とは何か。誰もが本質を見定められぬまま、事態だけが粛々と進んでゆく。


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■今回の百人一首■

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【百人一首(三五番):人はいさ 心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香(か)ににほひける(紀貫之)】

現代語訳:あなたは、さてどうでしょうね。他人の心は分からないけれど、昔なじみのこの里では、梅の花だけがかつてと同じいい香りをただよわせていますよ。

※引用元:小倉山荘『ちょっと差がつく百人一首講座』

 「移りゆくもの」について「変わるもの」と「変わらないもの」を対比して述べた歌です。本編においては二話まで一人道を歩く際に誰にも気兼ねすること無く軽快に即興曲を歌っていた小夜が、喫茶店店主・七原文人にその様子を目撃され父・唯芳にもほんのり注意されるコトで恥らいを覚えて気軽に歌えなくなったように、少しずつ変わらない日常が変化しています。日常パートに戦闘パートの異様な空気が僅かながら滲んでいたのが最もわかりやすい例かもしれません。

 多分変容というコトに関して小夜の内面についても言及されてると思いますが、それは後述します。


◆変りない日常からの変容

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 第三話では二話までに築いてきた一日の過ごし方とは違う過ごし方が何の気なしに展開されます。冒頭で小夜が「ギモーブ」で朝食を作り父と共に食べる所から始まり、人目を気にして鼻歌を歌うようになったり、何度も逃げられた犬を抱き上げられたり、いつもはギリギリで間に合うのに遅刻したり、学園の授業が昼で終わったり、一人で家に帰るのが基本になってる小夜が友達と一緒に帰路に着き途中で「ギモーブ」でケーキを食べたりと、「いつもとは違う一日」であるという事が徐々に強調されていきます。

 極めつけに「ギモーブ」を訪れた駐在から鴬商店の若旦那の失踪の一件を耳にすることになり、違和感がピークに達して「コレは異常である」とハッキリわかる訳です。「たまにはこんないつもと違う一日もある」から「いつもと違う=異常な一日である」という認識に切り替わるんですね。んで小夜は夜になって<古きもの>を討ちに行くと。

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 日常パートにおいて目に見えて変容しつつあるのは「小夜が他人との違いを気にする事」、「小夜と時真慎一郎の関係」と「それを巡ってのクラスメイトの関係」でしょうか。後ろ2つはまだ大きく顕在化してませんが、一つ目の「小夜と他人との違い」については現時点でもそうですしこれからもネックになっていくと思います。

 高い身体能力などが「特異である」と捉えられるのではなく「異常である」と捉えられた時に小夜はどんな感じに揺らいで崩れるのかなと思うと、先が楽しみで仕方ないです。…あ、不安でもありますよ。歪んでないです。理由はまた後で重ねて書きますので。

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 戦闘パートですが、今回初めて町の人が犠牲になりました。二話で話題にのぼっていたパン屋・鴬商店の若旦那。<古きもの>は何かに取り憑いて人を喰らうものであると改めてわかった訳ですけど、若旦那が夜間に人が外出する事など無い町で何故・どうやって失踪したのか、3日前に失踪した段階で<古きもの>に喰われなかったのは何故か(もしも既に喰われていたなら何故一瞬意識を取り戻したようになったのか)、といった部分が疑問として残ります。後々明らかになるのでしょうか。

 こう言った変容もありますが、最大の注目点は<古きもの>が最期に残した台詞でしょう。まず<古きもの>って喋れるものもいるんだって所から驚きですが、彼らと浮島神社の家系のものが何らかの約定を交わしてるコトにもっと驚きですよ。関係が出来てたのかと。
 という事はこれまで浮島の巫女(小夜)が<古きもの>を打ち倒してきたのは約定を果たす為だったという訳で、もしその約定が達成された時に何が起きるのか。小夜の母が何らかの関わりを持っていたのではないか。疑問は尽きません。


◆更衣小夜の本質とは

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 これまで小夜は<古きもの>に止めを刺すその前ぐらいに覚醒していましたが、今回はそれよりも前…<古きもの>に窮地に追い込まれた所で覚醒しました。今までは窮地を地力で乗り切っていたのに、今回は覚醒するコトでそれを乗り切りました。こうなったのはパワーバランス的に小夜が相手と互角(覚醒で少し上回る形)だったのが、相手が格段に上の実力であった為…という解釈でいいでしょう。その点に関しては問題ないと思います。

 今回問題になる(問題としたい)のは、これまでの戦闘と異なる部分を分析する中で「覚醒した段階で、小夜が小夜でなくなっているのではないか」という疑問が生じてきたコトです。噛み砕いて言うと「小夜が覚醒すると、彼女が理性を失って記憶が飛ぶとか別人格が起動するとかではなく、小夜ではない別の存在へと変容しているのではないか」といった所でしょうか。

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  これまで各話の初めから終わりの部分まで、小夜については一貫して一つの人格が連続していると認識されていました。しかし今回<古きもの>に止めを刺す所での一コマでは、過去二回決して戦闘の最中に笑うことのなかった小夜が笑みを浮かべたのです。この一連の所作から「小夜が連続して小夜であると断定出来ない何ががある可能性」を熟考するのは必然な訳で、そうすると自然と「この時の小夜は何であるのか」という疑問に行き着くコトになります。

――基本的に人の内面というのは一つであって複数あるものではない。ならば、その小夜はどうやって創り上げられたのか?

 以上を踏まえて過去2話で挿入されてきた独白を振り返ってみると、今までこの独白が何について語ってきたのかが浮き彫りになってきます。

「人を創るのは、何だと思う?…血肉の話をしてるんじゃない。『姿形』も一部ではあるが、今論じたいのは『内面』、と呼ばれる部分についてだ。『性質』、と言い換えても良い。それを創るのは、持って生まれた資質か。それとも、その後どう育てられたのか…なのか。
 人は、『それ』…に生まれるのか。それとも、『それ』…になっていくのか。その答えは……」
(第一話)

「そう…君は人を創るのは『時間』である可能性もあると思うんだね?…成程。長い時間をかけて経験を重ね、出会いを重ね、人は『個』を形作る。
 けれど…やはり、それが『総て』ではないね。だって…ほら」
(第二話)

 推論の域を出ませんが、独白の部分は「小夜がどうやって出来ているのか」という事を論じているのではないでしょうか?存在意義を問うのではなく、存在理由を問うのでもなく、存在するまでの成り立ちを考察しているのではないか、と。副題として小夜のような異質な存在についての言及も含んでいると思います。

 独白において、語り部はやんわりと人の中に「人とは違う何か」が存在するコトについて触れています。「人であるとは言い切れないイレギュラー」と言い換えてもいい。人の中に常識的に考えられない何かが創造される。そのモデルケースとして小夜を挙げている節がある。これがどういう意味合いを持つのか。


 第二話までは少なくとも「小夜はちょっと人より凄い部分があるけれど人である」と言い切れる範疇に収まっていたハズです。しかし、それは第三話のあのシーンで覆りました。あの小夜は明らかにいつもとは違う小夜でした。「異常」と言っても良い。

 これを果たしてどう説明すればいいのか。いや、どう説明出来るのか。手短なフォローとしては「彼女は血を見ることで豹変したのだ」というものがあるでしょう。果たしてそれが正しいのか。

 その部分について語ったのが今回の独白だと思われます。

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「人は、変わる。…確かにね。けれど、『変われる所』と『変われない所』があるだろう?どうしても変われない…根本的な部分そこが変わったとしたら、それは前と同じ人なんだろうか。いや、それ以前に『根本とは変わるものなんだろうか』?それは…これから……」

 つまりは内在していた精神の一面が表出したという訳ではなく、小夜が覚醒したあの段階で彼女の内面の根本的な部分がまるごと切り替わったのだと、そう語っているのです。

 勿論コレは推測でしか有りませんし、比較的浅い部分での変容で済んでいるのかもしれません。ただ独白でこういった台詞が出ている以上、我々の小夜に対しての認識は最早「特異」な存在ではなく「異常」な存在であると改められるべきなのです。小夜には生来の人格の他に何か別のものが棲みついているのだ、と。

 その異常について小夜ないし周りの者たちが認識した際に、彼女たちにどのような変容が起こるのか。今から楽しみで仕方ありません。

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 今回眼に見える形(ストーリーに組み込まれるレベル)での変容は微細でしたが、眼には見えない…まだ兆候としか判断されない程度の変容については大きいものがありました。

 気付かなければそれでも良い、けれども見過ごしてはいけない程の異常が音もなく静かに本編に潜んでいたのです。それが露出する時、日常パートは影も形もなくなるのでしょう。目も当てられない程に。

 いつになるかはわかりませんが、自分はそれを待ちたいと思います。


◆謎の女科学教師

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 筒鳥香奈子(つつとりかなこ)。私立三荊学園の科学(化学?)教師で小夜のクラス・二年B組の担任。この人、やっぱ怪しいですよね。初めて見た時から妖しいと思ってましたが今回でやっぱり怪しいと思いましたよ!(※誤変換は意図的です)

 理科室での会話で、「教師になる前は教えている科学(化学?)とはちょっと違う分野の研究職をしてて、知りたいと思うことに対しての探究心が強く、『この仕事』に就かないと知れないコトを知りたい」って言って小夜に興味津々な素振りを見せるんですよ!?コレは怪しいでしょう。

 コレで歴史研究家で<古きもの>と浮島の巫女の歴史について神社の文献には無かった知識を持っているみたいな流れになると盛り上がるんですけど、過去に生物学の研究をしていて<古きもの>を人工的に生成する研究の為に学園の科学教師として赴任してきたとかだったら血が飛び散るなぁ……と。

 あとは首のネックレスについてる勾玉ですか。アレに意味があるかないかで筒鳥センセの存在感も決まりますね!(

 いずれにしろ登場人物全てに何か裏があるのは間違いないと思っているので、筒鳥センセの本性がどんなものであるのか期待しましょう。


◇次回、「なげけとて」

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【百人一首(八六番):嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな(西行法師)】

 現代語訳は次回の感想記事にて。月前の恋というお題で禁じられた行為みたいなニュアンスもあってその中で流れる涙というものがどういうものであるのか。和やかな雰囲気の次回予告と対比して少し不穏な空気を漂わせるタイトルだと思って、次回を待ち構えたいと思います。

 「新作アニメ3話まで観れば話の概要がわかる」と言いまして、1クールのアニメの大半は3話がキーというか話のうねり出しみたいな部分があるんですがこのBLOOD-C・・・非常にうねり出しの恐ろしさが伝わりづらいんですね。簡素にやってしまっているというか、あんまり殊更大きく派手にやってしまうと下品だし絶対に描写的に通らないしで要素だけを押さえるに留めていると思うんですが。

 個人的にはゾッとしています。これまでは日常パートで天真爛漫な笑顔を見せている快活な少女が血みどろの戦いに身を投じてるそのギャップにくるものがあったんですが、少女が戦いの中で少女ではない何かに乗っ取られているという部分が見えてきたコトが空恐ろしく感じられます。

 彼女に何が棲んでいるか、明らかになるのが本当に楽しみでもあり不安でもあります。

 幸せな結末を迎えられればいいんですけど、そうもいかないんでしょうね・・・。


 次回もがんばりまーす。




 ※後半部分がまるっと消えたせいで記事のアップロードが3日ほど遅れました。次回からは金曜か土曜に上げられるように努力したいと思います。

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◎BLOOD-C第3話「ひとはいさ」
店でサヤが玉子焼きを作る。父に食べさせる。ギモーブをだされる。そして、また猫に触ろうとするイベント発生。ついに猫に触ることに成功するがすぐに逃げられる。ツツトリ先生と話... ...続きを見る
ぺろぺろキャンディー
2011/11/04 17:02

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