魔法少女まどか☆マギカ 第6話「こんなの絶対おかしいよ」感想

辛すぎるこの世界で生き抜くには、重すぎる身体。いっそ、この身体なんて無くなってしまえば良いのに。(以下、ネタバレ有り)




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 失った魂の残滓を追い求めて。




あらすじ:暁美ほむらの介入により、美樹さやかと佐倉杏子(きょうこ)の戦いは終結する。頼み込んだコトを叶えてもらったと思い明るい顔で見上げる鹿目まどかだが、ほむらには厳しい顔をして「さんざん関わるべきでないと忠告した事を聞き入れぬ愚か者」と断じてこれ以上踏み込むなと咎められ落ち込む。

 美樹家。仁美やまどかを助けた時に収得したグリーフシードでソウルジェムを回復させるさやか。魔法少女にならなくても穢れの溜まるソウルジェムを回復させるには、魔女を倒してグリーフシードを獲得しなければならない。その為にも障害となる佐倉杏子の打破。しかし今の実力ではさやかは杏子に勝利できない。素質や才能の違い・・・勝てる可能性の一つとしてまどかを挙げるキュゥべえに、さやかは「これは、私の戦いなんだ」と拒否する。

 明くる日、さやかと杏子が戦った場所を訪れるまどか。其処には取り逃がした魔女の手下の手がかりを辿ろうとするさやかがいた。昨日の戦いを受けて今一度話し合い協力して戦うべきだと語るまどかに対して、まどかに秘められた素質に対しての劣等感もあって拒絶するさやか。しかもマミが死んだのを待ち構えていたようにほむらが現れたのだと誤解していた。

 あの戦いは喧嘩じゃない、殺し合いだったと。そして、さやかはまどかに言い放つ。「魔法使いの手下でも人を殺す」、ましてやその魔女よりも悪い人間だとしたら、私(さやか)は戦うと。

 どうあっても勝ち目の無い戦い。去っていくさやかの後ろ姿を見ることしか出来ないまどかはキュゥべえに縋るが、彼はただ「無謀すぎるってコトだけだ」と告げるのみだった。
 

 日は過ぎていつもの病院。上條がいる筈の病室を訪れるさやかだったが、上條は腕のケガが完治した事もあり予定を前倒しにして退院していた。彼の家に訪れ呼び鈴を鳴らそうとするさやかの耳に響く上條のバイオリン。その音色に聞き惚れるのを打ち破るようにさやかの後ろに佐倉杏子が佇んでいた。

 さやかの戦う理由であった上條を自分のモノにしたいならもっと効果的な方法があるだろうと、凄惨な手段を突きつけて杏子はさやかを焚き付ける。心の中で引き戻せないだけの激情を抱えたさやかは、杏子に誘われ人通りの少ない高架橋へと向かう。

 激戦を予感させる雰囲気のまま対峙する二人に割って入るように、キュゥべえの呼び掛けに駆けつけたまどかがさやかを止めようとする。同じくして、杏子と結託し彼女に見滝原市を任せてさやかを打ち払おうとするほむらも杏子の背後に立つ。

 混ざり合う感情のるつぼで、どうしてもさやかに魔法少女として戦ってほしくないまどかは彼女のソウルジェムを奪い橋の下の道路に落とす。

 落としたソウルジェムはトラックの荷台に乗り、遠くへと離れていく。ほむらがそれを見て、血相を変えてトラックを追い駆ける。

 とんでもないコトをしてくれたとまどかを責めるさやかだったが、ふと何かが抜け落ちたかのように崩れ落ちる。何も反応の無いのを訝しんだ杏子がさやかを掴み上げ、異変に気付いた。


 「…どういう事だ、コイツ死んでるじゃねーかよ!」


 ソウルジェムを失ったさやかは、電池を失った機械のように動かない。
 
 「君たち魔法少女が肉体をコントロール出来るのは、せいぜい100メートル圏内が限度だからね」
 泣き叫ぶまどかに、問い詰める杏子に対して淡々と説明するキュゥべえ。

 普段は起こり得ない事故。まどかが揺すったさやかの肉体は抜け殻だと、そしてさやか自体はまどかがさっき投げて捨てたソウルジェムだと。

 魔法少女として契約した者は、ただの人間と同じ・・・壊れやすい肉体で戦ってもらうワケではない。魔力を扱いやすい、本体としての魂に安全な形態・・・最適なソフトウェア・ソウルジェムが与えられる。

 「魔法少女との契約を取り結ぶボクの役割はね、君たちの魂を抜き取ってソウルジェムに変える事なのさ」

 どれだけ傷ついてボロボロになっても、喩え心臓を貫かれたとしても、その肉体は魔力で修理すれば元通りになる。普通の人間では対処できない魔女と戦うにあたっては無敵、とても便利な手段。


 魔法少女が戦わなければならない理由。それは魔女から得られる褒美でも、人を護る目的や誓いの成就の為でも無い。

 ただ純粋に、「戦わなければ生きていけない」のだ。

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 暁美ほむらがトラックの荷台から取り戻したソウルジェムをさやかの胸元に置く。

 暫くして、美樹さやかが目を覚ました。何事も無かったかのように。

 今までと変りなく、言葉を発した。


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■戦いは止まらず、過ちも犯せないまどか

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 前回の喫茶店での会談が実って助けてくれたのかと思って、ほむらに期待するまどかですが「何度言ったらわかるのか」と睨まれ果てには拒絶されてしまいます。

 「何かを企んでいるのは確かだ」ってキュゥべえさん、アンタそりゃねぇよ。お前は何も企んでねぇかもしれないけど言ってない事多すぎるだろー。

 それでもってキュゥべえの工作、尚且つさやか自身の勘違いもあってさやかにも拒絶されるまどか。本当に為す術もない状態で、また夜に親に相談をする。
 第三話と対照的ですね。

 しかし此処で告げられるわけですよ。どうしようも無い問題への苦肉の策として、「間違えれば良い」と。「その子のことを諦めるか、誤解されるのかどっちがいいか」と言われれば、優しいまどかはその優しさでもって強硬策にでようとするワケです。

 今回まどかに与えられた選択肢は「魔法少女になるかどうか」ではなく、そこから少し離れた「さやかに嫌われても、魔法少女同士の戦いを終わらせようとする事を選択できるかどうか」に絞られていきます。

 大切な何か(今回はさやか)を守る為にした行動ですが、今回はそれがとんでもない事態に結実していく。

 本当地雷を踏みながら、独善的な優しさで立ちまわりますよね。ちょっと見ている側からすると不快感が生まれるかもしれません。

 今はまだ解答の出てない状態・・・過程であるので問題ないんですが、ここから間違った結果に結びついた時にはまどかへの印象は良くならないでしょう。


 でも、まどかは彼女の母も言う通り良い子です。子供としては合格なまどかが、大人へとステップを踏む中で自分の正しさを信じて意固地にならずに最適解を見出して総てを救うのを、祈るよりありません。


■欲望も何もかも喰らい尽くそうとする杏子

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 ヤクザな感じの佐倉さん。彼女をここまでに至らしめた経緯は不明ですが、ほむらとの結託した証として自分の所有物であるポッキーを差し出したり「徹頭徹尾自分の為に使う物で他人の為に使うのはロクな事じゃない」と言い放ったり、さやかと再会するなり彼女の願いを踏み躙る最低な言葉を叩きつけたりとか。

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 「惚れた男をモノにするなら、もっと冴えた手があるじゃない。折角手に入れた魔法でさ、今すぐ乗り込んでいって坊やの手も足も二度と使えないぐらいに潰してやりな。アンタ無しでは何も出来ない身体にしてやるんだよ!そうすれば今度こそ坊やはアンタのモノだ。身も心も、ぜ~んぶね?」

 素敵ですね。生ける魔女みたい。
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 でもソウルジェムについて、魔法少女についての真実を知った時の小物っぷりも嫌いじゃないですよ。

 そういえば、『あんず』でも『あんこ』でもなく『きょうこ』なんですね。


■正しさという電池で動くさやか

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 今回の主役といいますか、道化といいますか傀儡といいますか・・・なさやかさん。

 二度と叶うことのない光景を追い求めて、キュゥべえに印象操作され誤解を認めず自分のやり方を意固地に貫き通そうとする姿は滑稽です。

 しかも「今日一日追い掛け回したくせに」とか杏子に言われてますから、本当にストーカーの可能性だってあるじゃないですか。大丈夫ですかさやかさん。

 前回の感想で、報われないっぷりは語り尽くしましたが、コレじゃあそれこそ本当に諦めるしか無いじゃないですか。ただ生に執着する為の醜態しか晒せませんよ。

 ううむ、でも最後まで見届けるしか・・・無いんでしょうなぁ。



★次回予告★

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 「戦いの運命を受け入れてまで、君には叶えたい望みがあったんだろう?それは間違い無く実現したじゃないか」

 「本当の気持ちと向き合えますか?」


 今回のエンドカードはウエダハジメさん。化物語のEDでよく見知っている人も多いでしょうし、フリクリの原作漫画やうた∽かたでもイラストを描いたりしてますよね。

 EDの後にまた胸を締め付けられるとは思ってませんでした。


 いやぁ・・・本当に結構なお点前ですよねキュゥべえさん。

 始末の悪さは、「魂を抜き取ってソウルジェムに移し変えた」事を契約前に告げなかったのを「それを告げれば契約相手の精神にひどく動揺をきたすから」と言って言い逃れる事も出来る点だと思います。でもまぁしれっと言い垂れそうですよね、「契約の問題点を、リスクを聴きこまなかったほうが悪い」って。

 ああ、逆にそれも問題点にしない場合もありますね・・・どの魔法少女にも同じことをしてきた、同じ事を繰り返してきたのだと考えるとキュゥべえは何かしらのシステムの中に組み込まれた歯車のようなポジションなのかもしれませんね。

 さて、今回は色々なものが揺らいでしまいました。

 その中で揺れない(掛詞)暁美ほむら。彼女が杏子に告げた2週間後に訪れるという「ワルプルギスの夜」とは何か。キュゥべえがまどかに彼女への警戒心を煽る理由とは?瞬間移動もできる彼女の能力とは?なぜ、そこまでまどかに肩入れするのか?

 魔法少女として戦い続けなければならない羽目になった美樹さやかが切り拓く運命とは?

 ソウルジェムが自分の命だと、魔法少女の真実を掴んだ佐倉杏子の向かう先は?

 そして、鹿目まどかは果たして魔法少女になるのか!?


 いやぁ・・・いつなんでしょうね変身。

 次回からも本当に目が離せません。突っ走るぜー。


 仁美さんの台詞が意味深です!



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